パパが買ってきたクゥちゃん。愛くるしい瞳と震え、そしてアフロ
癒し系チワワの魅力を余す所無く披露するクゥちゃん。

でも…
チヒロちゃんは、ちょっとだけ想像してたクゥちゃんと違う事に違和感を感じています。

 

 

チヒロ『んー…クゥちゃんって…こんなにおっきかったんだぁ…』

チヒロ『でも…本当のチワワなんて見たことないし…。』

チヒロ『そうだよね…きっと本当のチワワはこれくらいおっきいんだよね。』

チヒロ『うん!きっとなれてくればクゥちゃんがチワワだって分かるようになるよね!』

前向きなチヒロちゃんはあらためてクゥちゃんを可愛がる気持ちになりました。

 

 

 

 

チヒロちゃんはクゥちゃんと遊ぼうと声をかけようとしました…が。

 

 

 

クゥちゃん「ワン。」

ママ「あらあら、クゥちゃんもう私になついてくれるの?うれしいわ。」

 

クゥちゃんはチヒロちゃんを無視してママに懸想してました。

(お前もか…お前もセミなのか…クゥちゃん。)

 

 

犬に妻を取られるという、なんだか変態官能小説の設定のような家庭崩壊の危機。

そんな時なのにパパは…

 

 

 

パパ「うはっ!エビピラフうまーい。」

一人で飯食ってました。
いいのか、パパ。ベトナムで鳴らした男が…。

 

ま、でも心配しなくてもいいようです。
クゥちゃんはワンとしか言いませんし、ママは聞いてるけど聞いてません。

二人のすれ違いの会話はとりあえず終了しました。

その隙を見計らってクゥちゃんと遊ぶチヒロちゃん。

 

 

 

 

チヒロ「ねぇ!クゥちゃん。ご本読んで!」

チヒロちゃん…犬に向かって無理難題を…。

 

 

 

 

 

 

クゥちゃん「ワン。」

 

 

読めるんかい。

 

 

 

 

ママ「あらあらチヒロ。よかったわね。クゥちゃんにご本読んでもらえて。」

ママもママだ…犬が本を読むことに何も不思議は感じないのか…?
ママはそんなチヒロちゃんとクゥちゃんをほほえましく見ると、キッチンへ行きました。

 

クゥちゃん「ワン。ワン!ワン?…ワン。…ワ…ン…。」

クゥちゃんは感情を込めて読みますが、チヒロちゃんには理解できません。

チヒロ「…んー。クゥちゃん。ありがとう。」

チヒロちゃんはクゥちゃんにお礼を言いました。
さすがに読んでもらったのに意味が分からないとはいえません。

クゥちゃん「ワン」

チヒロ「ママー。ちょっとお外で遊んでくるーっ。」

とりあえずクールダウン。悩みすぎた頭を冷やすためにちょっと外へ出る気になりました。

ママ「はぁーい。あまり遠くいっちゃだめよー。」

チヒロ「大丈夫ー。家の前のブランコで遊ぶだけー。」

チヒロちゃんはキッチンにいるママに声をかけると外へ出て行きました。

 

クゥちゃんは家でお留守番です。

おうちで大人しく待ってるなんて、なんだか可愛いですね。

 

 

 

と、何を思ったのか一人になったクゥちゃんはチヒロちゃんの部屋に侵入します。

そしておもむろに少女の赤裸々な告白が満載の日記に手を伸ばします。
 

クゥちゃん「・・・・・・・・・・ほぅ。」

なんだか胸が締め付けられることが書いてあったのでしょうか。
ため息をついています。犬のくせに。

 

でも端から見ると下着一丁で娘のプライバシー覗くただの親父だよなぁ。

 

 

背中の癒し系の文字が泣かせます。

 

 

 

変態親父犬にプライバシー覗かれてることも知らないで
チヒロちゃんは無邪気に遊んでいます。

でも一人です。

まだ引っ越したばかりで友達もいません。
引っ越した前の土地は遠くて、一人では遊びに行けません。

 

と、そこに少女の秘密を堪能したクゥちゃんがやってきました。

 

 

 

きっと少女の寂しい心を日記から察したのでしょう。
クゥちゃんちゃんはチヒロちゃんと一緒に遊んであげました。

いい奴。クゥちゃん…(感涙)

(でも、日記盗み読んで心を察するのは犬失格です。)

 

 

一緒にブランコ遊びをする少女と犬。
まるで絵画の一風景のようですね。

 

 

こうして二人…一人と一匹は日が沈むまで遊んだのでした。

さてさて、物語はその日の夜の事へと移ります。

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