第二日 全裸から明日へ。

 

所変わって…

 

 

 

 

ここはオシャレレディに人気のお店。

有名ファッションリーダーが経営するお店です。

 

いくつもの雑誌で紹介され、有名人も愛用するお店です。

 

そこへタクシーを乗り付けてやってきた一郎。

女性向きのお店だと思うのですがかまわず中に入ります。

 

レジの女の子「いらっしゃいま…(ハゲ…全裸?)」

 

 

一郎「ほう。素晴らしい。」

 

 

 

一郎は店内を見渡します。

レジの女の子「・・・・・・(全裸?何故?)」

 

一郎「ふぅぅぅむ」

 

 

一郎「んー…なかなかイメージが湧かないな。」

一郎は店長を見つけると声をかけました。

一郎「すみませぬ。」

店長「はい。いらっしゃ…(ハゲ…全裸?しかもそそり立ってる…)」

店長貞操の危機を感じてます。

一郎「服をさがしているのだが。似合う服を探してくれないか?」

店長「え!?ええ。お手伝いさせて頂き…ますわ。(何故全裸…何故?)」

店長困惑気味です。

店長「贈り物ですか?」

一郎「いや。自分と兄弟で着たいのだが。」

店長「は…はい。(女装趣味?)そういたしますと…えー…どのようなイメージの物をご希望ですか?」

一郎「うむ。マッシブでグラマラスなダンディズム溢れる感じで。」

店長「はぁ…。」

店長どうして良いか分かりません。

少なくとも女装では無いようです。

 

店長「では…こちらなどいかがでしょうか?」

店長は男性が着てもおかしくなさそうな物を選びます。

 

 

一郎「うむ。すこし着てみたいがかまわないか?」

店長「え…ええ。試着室はあちらにございます。」

 

「ごそごそ…」

店長の勧めてくれた服を試着する一郎

店長のイメージでは「華やかなフランス革命の夜」らしいです。

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

べるばら?

 

 

 

 

 

 

一郎「んー…着心地は良いな…」

 

一郎「うむ…」

一郎は鏡の前に立ちます。

 

 

一郎「オスカァ〜ル!!!」

とりあえず叫びます。一郎の今の気分はフェルゼン。

アンドレじゃないところがちょっとだけマニアック。

 

後ろからおそるおそる店長が声をかけます。

店長「とってもお似合いですよ。こちらでよろしいでしょうか?」

一郎「ううむ。すまん。もっとこう。何というか…肉体美を強調したものを…」

店長「はぁ…そうですね…こちらはいかがでしょう?」

一郎は二着目を試着します。

 

 

 

 

 

…ただの水着じゃん。

まぁ全裸じゃないけど。

一郎は鏡の前で再度ポージング

一郎「フウム!」

店長「いかがでしょうか?」

一郎「ううむ。熱い。熱いのだが何かが足りない。」

店長「左様でございますか…」

店長はさらに服を選びますが、一郎の望む服が思いつきません。

店長「どんな物を…見繕えばいいのかしら…」

困惑の店長。

店長は一通り自分のデザインした服を思い出します。

店長「………そうだ!」

店長はレジの女の子を呼びました。

店長「倉庫に古いトランクがあるわ。あれ持ってきて。」

レジの女の子「は、はい!」

・・

・・・

・・・

・・・・

・・・・・

店長「お客様。お待たせいたしました。」

 

 

 

 

ゴソゴソ

 

 

 

一郎「うむ!素晴らしい!」

・・

・・・

・・・・

 

 

一郎「うむ。ありがとう。」

レジの女の子「はぁ。」

店長「ありがとうございました。」

 

一郎を見送った二人。ぽつりとレジの女の子が言いました。

 

レジの女の子「…あれでいいのでしょうか?」

店長「いいんじゃない?マッシブでグラマラスなダンディズム溢れる逸品だと思うわ。」

なんとか希望に添う物が見つけられた店長は、少し上機嫌です。

レジの女の子「そう…でしょうか…でも、どうしてあんな物が倉庫にあったんですか?」

店長「え?あれ?私が作ったデビュー前の衣装。」

レジの女の子「…店長…」

店長「…なに?」

レジの女の子「…店長が売れてなかった理由がちょっと分かった気がします。」

 

 

 

お店をでてすぐの公衆電話。

一郎は帰りを待つ次郎たちに連絡をいれます。

 

一郎「おう。次郎弟者か。今から帰るぞ。」

次郎「兄者。服は買えたのか?」

一郎「ああ。素晴らしい物が買えたぞ。」

次郎「それは朗報だ。弟者も待ってる。早く帰ってきてくれ。」

一郎「うむ。」

 

 

そうして・・・・

 

 

一郎「今戻ったぞ。」

次郎「おお!兄者!待っていたぞ!」

四郎「服は?どのようなものが?」

一郎「うむ。さっそく全員着替えよう。こっちへ来てくれ」

ぞろぞろと席を立つ兄弟。

 

 

そこに待つ古びたトランク。

三郎「おお。これか?」

一郎「どうだ?色々入っているぞ。」

次郎「素晴らしい。兄者。」

兄弟は適当に中の服を着ます。

 

 

 

 

 

 

 

着替え中・

 

 

 

 

 

 

 

 

完了

弟者「ををををを!」

一郎「どうだ?他にもあるぞ。好きなものを選べ。」

次郎「このような贅沢な服装をしてもいいのだろうか!」

一郎「ああ!我々はもう全裸ではないのだ!」

一郎は囚人

次郎は海賊

三郎は謎の衣装

四郎は原始人

 

…あのお店の店長、どう言ういきさつで有名デザイナーになったのか気になります。

どの辺がマッシブでグラマラスなダンディズムなんでしょうか…。

兄弟は喜んでるんで良いんですけど…。

 

三郎「弟者!素晴らしい出来だな!」

四郎「うむ!これで仕事もばっちりだ!」

四郎は早速今朝の会社に電話をします。

今度は全裸ではありません!

四郎「ふんふんふふ〜ん♪」

さぁ!原始人なら仕事を得る事ができるのか?

 

結果はまた後日。

 

 

 

 

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